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2023/12/26

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営業

面接のコツ・募集採用 優秀な人の見極め手法 その1

この記事を書いた人

採用コンサルタント

斉藤教之

株式会社ナック、グリーンハウス株式会社、株式会社ビーコンIT、株式会社アスネットなどで採用担当に就き、2013年、株式会社ヒューマンイノベーションを設立し独立、代表取締役に就任。主な実績としては、1200名を集める会社説明会を企画実行・採用スタッフ2人で年間250人採用・社員2人の0歳企業で応募者20名を集める・延べ面接実施回数3,000回以上・適正検査分析回数50,000人以上。

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まず一番最初に応募者の心理、どんな気持ちで訪問しているのかを紐解いていきたいと思います。

基本的に応募者は、その会社に受かりたいと思って面接に来ています。

受かりたいという気持ちを出しながら、MAXパワーでいらっしゃるのが基本的な応募者の心理です。

したがって、いつもはあまりニコニコしないのですが、ニコニコしながら話しているとか、椅子に浅く座って前のめりに面接官の話を聞き入っていたり、自己紹介をすることを心がけているはずです。

面接に慣れているという人はそんなにいませんので、多くの方は緊張しています。

MAXパワーで来ている所に騙されないようにしましょう。

おそらく、今日参加していただいている企業様の中には、採用した後に

「こんなはずじゃなかったんだけどな~」

とか、

「もうちょっと明るくなかったっけ?」

と感じるなど、そういうご経験を大なり小なりされている企業様はおそらく多いのではないかと思います。

このためこの「MAXパワーで来ている」という所に、企業側のスタンスから申し上げますと、「騙されないように!」というところが、今日の1つのテーマになっていきます。

一つ前に申し上げましたが、採用してみたんだけど、例えば「覇気がない」とか、「二言目には文句を言う」とか、「叱ったら会社に来なくなった」とか、そういったメンタル面を含めて失敗したなーと思われている会社もいらっしゃると思います。

また応募者の中に「この人いいな!」と思った人が来たとしても、「あなた、合格です」という連絡をした時、「いや、他の会社に決めてしまいました」と言われてしまって、採用に結び付かなかった、こんなことも大なり小なりあるのではないかと思います。

面接、皆さんどんな風にやっているでしょうか。

応募者が会社の門をたたいた所から、会社を出るまでどんなことを感じているか考えてみてください。

私が良くご指導申し上げるのは、「面接というのは営業の商談と同じです」ということをお伝えしています。

応募者は、その会社に入れるかどうかの判定をされるために来ているのですが、その人が入室から帰るまで、三顧の礼で迎えろ、と言っているのではありません。

もしかしたら、応募した皆さんの会社に入らなかったとしても、その人が将来家を建てたり、あるいはその人の親戚が家を建てる可能性もあります。

もしそうなったときに「あんな会社は止めておいた方がいいですよ」と言われてしまったら、元も子もない訳です。

そういう意味で面接という行為は非常に大事だと考えています。

ここに挙げさせていただきましたが、良く失敗する面接として私の目に留まるのは、「面接官が面接会場に遅れて入場する」というものです。

当然、社長さんや面接官はお忙しいかと思います。

だからと言って応募者を5分、10分待たせるのは最悪のことです。

また「事務スタッフに面接を任せる」のも良くないです。

面接は営業・商談と同じです。

そう言った意味で、社長さんや営業の方が会社の説明をするのと、事務スタッフが会社の説明をするのとでは、全然別物になると思います。

それからお茶やお水は出しているでしょうか?

応募者は話をしますので、喉が渇きます。

そんな中、面接官がペットボトルの水を持ちながら入室してきたら好印象には残念ながらならないでしょう。

面接官も会社も面接されているのだと考えていきましょう。

応募者は他の2社以上の会社を受けている可能性も高いため、競合したときにどちらを選ぶかという考えのもとからも気をつけていきましょう。

ここまでお話してきて、「では理想の面接スタイルとは?」ということについてまとめていきます。

どんな心理で面接に来ているかを理解

また面接では自己紹介を応募者から聞くと思いますが、逆に「面接官側から冗談を交えながら自己紹介をする」と、結構場がなごみます。

丁寧に話を聞く

良く「二次面接者が一次面接者から面接様子の話を聞いていない」というということが起こります。

一次面接でも二次面接でも同じことを聞かれる。

これが起こると応募者は「この会社は上司と部下で話が通じていない、コミュニケーションが取れていない会社なんだな」と感じます。

合否判定期限を明確にする

これをやられていない企業様は結構多いです。

「次は二次面接なので追って連絡します」と応募者を帰していませんか。

これだと応募者側から見た時に、「いつまで待てばいいのかわからない」という状況になります。

また「私は面接に受かったでしょうか?」ということも聞きづらい状況になります。

ですから、「合否判定は3日後までに連絡します」ということを明確にしてあげてください。

なぜならば明日・明後日も面接が控えていることが多いと思います。

この方々も見てからということであれば、こういうことをきっちりと行なっていくと、理想の面接になっていきます。

ここまでの内容は、コストが掛かったり、手間暇が掛かるものではないと思います。

実行できる範囲で面接の質を上げていただいて、応募者が御社に入らないとしてもご自身やご親戚の方がお施主様候補になるかもしれませんので、そう言った所もにらみながら進めていだけたらと思います。

これも良くお聞きする話なのですが「履歴書に隠された嘘」ということをお伝えしてきます。

履歴書や職務経歴書などというものもあると思います。

ここに、自己PR文のサンプルを示します。

このような文面があったとしたら、私がまず最初に目を留めるのは赤く色を変えてある2つの部分です。

①信頼関係の構築とニーズの把握に重点を置いています。顧客のニーズを理解

この方の前職で、マニュアルが存在しているかしていないかで、この方が本当にその能力を持ち合わせているかどうかが変わります。

この方が新しい会社で独創性を出して信頼関係の構築とニーズが把握できるかどうかを見なければならないと思います。

②メンバーのモチベーションを高め、共に目標を達成するための環境を作り上げました

その方がチームとしてどんなメンバーとして加わっていたかを確認する必要があります。

この人がリーダーとしてプロジェクトを率いていたのか、それともサポートスタッフとして関わっていたのかで、大きな違いが出てきますので、そこを見極めたいと思います。

二つ目のサンプルです。

このサンプルでも赤いところ2つに注目します。

この方の場合でも、先ほどの人と同じように、チームのどんな立場として加わっていたのか、頑張っていたのかを見極める必要があります。

部長なのか、部員なのか、はたまたマネージャーなのか、このあたりをしっかりと聞き込んでいく必要があります。

この人にまとめる力があるのか、ないのかがわかっていくと思います。

面接では履歴書や職務経歴書を見ながら色々な質問をし、応募者を見極めようとする場面の中で、どんな角度から質問をぶつけていくのか、ということは非常に重要なことです。

素質を見極める質問例を全部で5項目にわけて挙げておきます。全て説明すると時間がかなり掛かりますので、飛ばしながら紹介していきます。具体的に面接の場面で使っていっていただけたらと思います。

まずは「過去の経験について」です。

先ほど自己紹介の所でも触れましたが、「プロジェクトに参画していました」という文面は良く見ると思います。

その時は「どのような役割を担当していたのか?」を聞いてください。

そうするとその人がどういう役割だったらできるのか、あるいはこちらが期待する役割ができるのか、そのあたりが見えてきます。

次は性格や価値観を見極める質問例です。

長所や短所を聞くことは良く行われていると思います。

また「どのような状況でストレスを感じるか?」ですが、これは性格・価値観の両方に通じるものが見えてきます。

最近良く言われるのは、特に若い人達が「打たれ弱い」ということです。

打たれ弱いと、最終的にはうつ病になるなどで、企業損失に繋がってしまいます。

「上司に叱られたとき」と言う人は滅多にいませんが、こういう人はうつ病予備軍になるでしょう。

最近、「親に叱られたことがない」という人もたまにいます。

そういう所でストレスを感じやすくなっているのではないでしょうか。

次に「あなたが困難な状況に直面した場合、どのように対処しますか?」という質問ですが、これに対して精神的に弱い人はしどろもどろに答えます。

ストレートに答えられないからです。

その下のシチュエーション~という質問でも同じです。

このあたり、特に昨今は強めに確認しておかないと、採用で失敗してしまいます。

続きまして、上下関係、目的達成関係です。

「上司や同僚と意見が異なる場合、どのように対処しますか?」、「あなたが目標を達成するために採った具体的な手段は何ですか?」

「チームで働くことが多いと思いますが、あなたが良いチームワークを実現するために何をする必要があると思いますか?」、「チームメンバーが協力的でない場合、どのように対処しますか?」

これらは先ほどの価値観の所にも繋がってくると思いますが、チームワーク、非常に大事です。

「これを実現するためにあなたは努力してきましたか?」という質問ですね。

最後はリーダーについてです。

「あなたが考える理想的なチームリーダーとはどのような人ですか?」

こんな質問も面白いですね。

これらの質問は、候補者の経験、価値観、性格、行動傾向などについて理解することを目的としています。

ただし、質問はあくまでも一例であり、面接者は独自に適切な質問にアレンジする必要があります。

ちなみに先ほど出てきた自己PR文は、今話題のChatGPTで作成しました。

「部活動 インターハイ 履歴書」などと入力すると、文面を勝手に作ってくれます。

今は履歴書だけからその人のことを判断するのは難しい時代になってきました。

悪い言葉ですが、応募者に騙されないようにしていきましょう。

次に「本人の働くことに対するモチベーションや活躍することの期待度を図る手法」をご紹介します。

「イマジネーションテスト」と呼ばれている物です。

これがイマジネーションテストの現物です。

ご自身の「10年後の目標(姿)」について、【絵】と【文章】で表現してもらいます。

用紙はA4で、広いスペースに絵を描いていただいて、下にその説明文を書いてもらいます。

この設問は言い換えると、「絵と文章で説明しなさい」という会社からの命令なのです。

絵と文章をかきなさい、と命令されているのです。

私も過去に良く見る事例があるのですが、この絵の中に「時間がなかったので絵は割愛させていただきます」とか「絵は下手なので描けません」というような言い訳めいたことを書く応募者も中にはいます。

これはどういう判断をするかと言いますと、「受かりたいと思って来ているのに、働くことや会社に対するモチベーションは、残念ながら低いと言わざるを得ない」という形になります。

期待度は文章に現れます。

次に2つ文章例を見てみましょう。

上をA君、B君とすると、皆さん、どちら側が期待できると思いますか?

仕事だけという面で捉えたら、B君ですよね。

すごく明確になっている訳ではありませんが、「部長になれたら順風満帆」、「年収1000万円を目指したい」とか、この辺りが具体的に出てきているということは、これを青写真のまま終わらせるということではなくて、そこに向かっていこうという種の部分が見えますよね。

逆にA君の場合は、仕事のことがほとんど書いてありません。

「公」「私」とあったら、絶対に「私」の方を優先させるという人物だと思われます。

以上、絵と文章をかかせるというイマジネーションテストを使うと、働くモチベーションが高いのか、中ぐらいなのか、低いのかがわかります。

働いてもらったら期待度が高いのか低いのかもわかります。

このイマジネーションテストを活用していただけたらと思います。

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