2023/12/23
営業
打合せ時間を短縮し、満足度を上げ、 さらに物件価値をも上げてしまう
色には3つの属性があります: 色相、彩度、明度(めいど)です。
これらを名前だけで覚えるのは難しいかもしれませんので、イメージとして覚えると良いでしょう。
色相は色のグループを指します。例えば、赤系統や青系統などがあります。
彩度は色の鮮やかさを示します。鮮やかな赤や青は鮮やかさを失うとくすんでいきます。
明度は色の明るさを表します。明度が高くなると、色は白に近づいていきます。
原色や彩度の高い色は、壁などの表面に使用する際には慎重を要します。これにはテクニックが必要です。
上の部分は、有彩色で色味が豊かです。これは、色相・明度・彩度の観点から表現できます。
対照的に、下の部分は無彩色となります。主にホワイト、グレー、ブラックが該当します。
これらの3つの色は様々な使い方が可能であり、住宅関連では特に利便性が高いとされています。
無彩色は空間を調和させる力を持ち、全体のバランスを整える役割があると言われています。
このあたりから難易度が上がります。
インテリアコーディネーターやカラーコーディネーターの資格をお持ちの方は、これに触れて懐かしく感じることでしょう。
この中で覚えておいていただきたいのは、「マンセル値」という言葉です。
マンセル値は主に外壁塗料や室内塗料で広く使用されています。
お客様が「マンセル値が○○がいいんだけど」とおっしゃった際にも、しっかりと対応できるようにしておきましょう。
ここでクイズを出題いたします。
先ほどのマンセル値において、「6.2Y9.2/4.1」の色は一体何色でしょうか?
初めて聞く人にとっては理解が難しいかもしれませんが、ヒントはその中央にある「Y」にあります。
ここでの「Y」は、「yellow(イエロー)」の頭文字なのです。
正解は真ん中の色です。
この色は2023年のトレンドカラーであり、やさしさに包まれる「ルミナスイエロー」と呼ばれています。
もうひとつ、後ほど別のトレンドカラーが登場しますが、これらの色は日本流行色協会(JAFCA、ジャフカ)によって選定されています。
打ち合わせで「実は、この色が今年のトレンドカラーなんですよ」と伝えると、色に造詣の深い印象を与えることができます。
色の混合についてです。
加法混色や減法混色などの言葉は少し難しいかもしれませんね。
左側では、赤・緑・青を重ねて、昔のテレビのブラウン管のように明るく色を出すのが加法混色です。
右側では、プリンターなどをイメージすると分かりやすいかもしれませんが、イエロー・シアン・マゼンタを重ねるごとに色が暗くなっていくのが減法混色です。
R(Red)G(Green)をたすとY(Yellow)になると覚えやすいと思います。
色の対比についてです。
難しい言葉は置いておいて、見え方は背景の色によって変わることを頭に入れておくと良いです。
真ん中の四角の色は全て同じです。
外壁やクロスの色によって、置くものの見え方も変わります。
同じ白い外壁で、窓の大きさもサッシも同じですが、対比の関係でこれだけ印象が変わってくるという例です。
左上はシルバーのサッシ、右下はブラックのサッシです。
こちらもインテリアの写真です。
同じグレーのソファーが写っています。
床と建具が濃い場合と薄い場合があります。
どちらのグレーが引き立つか、というお話です。
好みによる部分もあるでしょう。
色の感情効果についてのお話です。
覚えておいていただきたいのは、左上の「寒色」「暖色」です。
色が冷たく見えるか、暖かく見えるか、ということです。
また、色には軽さと重さ、柔らかさと硬さも含まれます。
パステルカラーと呼ばれるものは、色が軽く、柔らかく見えるとされており、その使い方を覚えておくと良いでしょう。
色の印象についてお話しします。
イメージは人によって異なるかもしれませんが、白・黒・グレーなどは高級感が漂い、使いやすい色とされています。
赤になると情熱的な印象があり、ピンクなら可愛らしいと感じられることもあります。これらは外観やインテリアコーディネートにおいて基本となりますので、覚えておくと良いでしょう。
色の印象について、外観を見てみましょう。
形状としては、両方ともスクエアで似たような外観です。
左側は重厚感や存在感が感じられると思います。
右側は上質であり、清潔感が漂っていると感じられるかもしれません。
特徴的なインテリアの写真です。
左側はハードルが高いと感じられるでしょう。
住宅でここまで斬新なデザインを取り入れるのは難しいですね。
一方、店舗などではこのような鮮やかな赤が使われることもあるかもしれません。
右側のピンクは、お客様から「フェミニンな感じ」や「可愛らしい感じ」といった要望があった際に、こういったイメージを提案することで共感を呼び起こせるかもしれません。
お客様からまずはイメージをお聞きして、前のページの表を見ると、その要望に応える提案ができるようになります。
簡単な問題をご用意しました。
どちらの方が奥行きが感じられるでしょうか?
正解はBです。
Bは後退色で、寒色であり、低い色調で奥行き感が生まれると言われています。
吸い込まれるようなイメージが広がります。
一方でAは前に出てくるように見えます。
暖色を使用し、彩度を高めた鮮やかな色を使うと、より前に浮かび上がるように見えます。
アクセントクロスを一面使う際に、暖色を選ぶと圧迫感が生まれることから、寒色のクロスを選ぶ方が良いとされています。
日本国内では「ルミナスイエロー」が注目を集めていますが、国際的な視点から見れば、今年のトレンドカラーは「パントン」社が提案する「ビバマゼンタ」です。
情熱的な赤紫といえども、住宅全体に使うのは慎重な判断が必要です。しかし、お客様の家具をコーディネートしたり、アクセントカラーを検討する際には、このようなトレンドカラーにも目を向けることで、「色に詳しい方」という印象を与えられます。クロスやキッチンの扉を選ぶとき、または話のネタとしてもおすすめです。
ここからは、ファッション業界のカラーコーディネートについてお話しします。
ファッション業界から得られる知識は非常に豊富です。
まず、ワントーンコーデ。左側では青系統で統一されており、これによってまとまり感が生まれ、難易度が低くなります。
右側は類似色相配色と呼ばれ、隣り合った色相でコーディネートする手法です。
ただし、相性の悪い色相も存在し、そのため難易度が高まります。
左側は同じトーンコーディネートです。
この辺りはパステルカラーの調和が感じられ、住宅においても利用できると考えられます。
ぜひ覚えておくと良いでしょう。
右側では興味深い例をご紹介しています。
補色の色相配色として、色相環の中で12色離れた色を補色と呼びます。この組み合わせを使用したコーディネートです。
ただし、これを住宅に取り入れるのは難しいかもしれません。
こうした色の組み合わせがあることを知っておくだけでも、色彩の幅が広がります。
他の業界のカラーコーディネートから学ぶ話です。
雑貨のFrancfrancでは、女性向けの色使いを参考にすると良いでしょう。
雑貨の制作方法や空間の構築も、女性向けの要素が非常に巧みに取り入れられています。
男性のコーディネーターがこれを学ぶことは有益でしょう。
右側のLoftやハンズでは、雑貨の最新トレンドや通常見慣れない色使い、デザイン的にも異なる商品が陳列されています。時間があれば訪れてみると良いでしょう。
色々と難しい言葉はありますが、
重要なのは、色の印象に関する説明や提案ができること
これがプロとして大切なポイントです。
トレンドカラーや異業種の情報に触れていませんが、車の業界など様々な分野の情報をコーディネーターとして取り入れ、引き出しとして持っておくと良いです。
例えば、このような話を15分程度お客様の前で行えば、信頼度はかなり向上します。そのため、これを実現するための簡単なアプローチブックを監修して作成し、会員様にはお配りします。