2023/12/20
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イエマドのプロカメラマンによる反応の出る写真の撮り方講座
こんにちは。
今回は、住宅の写真撮影の手法についてお話しいたします。私はカメラマンとして、さまざまな人物や物体を撮影しています。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ミュージシャンの聖飢魔IIさん(デーモン小暮さん)や槙原敬之さんの撮影、また書籍のための写真も手がけています。
写真データの加工も私の担当領域であり、これまで数多くの写真を撮影し、丁寧に加工してまいりました。
今回は、そうした経験を生かし、住宅雑誌にふさわしい美しい写真の撮り方についてお伝えしてまいります。
まず、写真を撮る際に考慮すべきポイントについてご紹介いたします。
スマートフォンをお使いであっても、一眼レフカメラを使用している場合でも、重要なのは自身がカメラをマスターすることです。
写真を撮る前には、欲しい写真のテーマや理想的なイメージを事前に練っておくことが肝要です。住宅の撮影においては、お施主様がどのようなこだわりを持っているか、また工務店がどのような工夫を凝らしているかを先に把握しておくことが不可欠です。
このイメージを持ちながら現場に臨むと、どのような写真が得られるかをじっくり観察することが重要です。
次に注力すべきは「構図」です。構図の微妙な変化で印象が大きく変わります。これについては後ほど実例を交えながらご説明いたします。
最後に、「光」の重要性です。午前中の光が特に美しいです。7時から11時の間に撮影すると良いでしょう。素晴らしい写真を撮るには、撮影する時間帯も考慮することが欠かせません。
この辺りについて、大まかにこういった内容でご説明いたします。
スマートフォンではこれらの設定が自動的に調整されるため、特に気にする必要はありません。
ただし、優れた写真を撮影するには、これらの知識を把握しておくことが必要ですので、覚えておいてください。
F値は「絞り」を指します。
これは、目の瞳孔と同様の働きを持っています。絞りは開いたり閉じたりし、瞳孔は明るい場所では絞り、暗い場所では開きます。
写真も同じで、暗い場所では絞りを開き、明るい場所では絞りを狭めます。スマートフォンではこれが自動的に行われますが、ピントを合わせたい場所をタッチすると、ピントが合うように調整されます。そのため、絞りに関する基本知識を覚えておくと良いでしょう。
左の写真は絞りを開いた状態で、背景がボケていることが分かるかと思います。
右の写真は絞りを狭めた状態で、背景までピントが合い、対象がくっきりと写っていることが分かるでしょう。
風景写真では、左の写真のように奥行きまでピントが合った写真が一般的です。もちろん、特定の理由がある場合は奥を極端にぼかす写真もありますが。
住宅の写真においても、右の写真のように奥行き全体にピントが合っていることが多いです。これは、説明の際にわかりやすく使いやすいからです。
ただし、状況によっては手前の要素を強調したい場合に奥をぼかすこともあります。右側の写真で全体にピントを合わせる場合、写真の右側から2番目の椅子にピントを合わせると良いでしょう。
スマートフォンでもリアルタイムで確認しながら撮影できるため、都度確認しながら撮ることで、良い写真が撮れるようになるでしょう。
手前にピントを合わせた写真です。
インスタグラムなどのSNSでは、このような写真を使用することがありますね。
iPhoneをお使いの場合、「ポートレートモード」で撮影すると、このような写真が手軽に撮れます。
これらの写真は、プロのカメラマンが経験と工夫を込めて撮るものでもありますが、最近ではスマートフォンでも簡単に撮影できるようになり、非常に便利だと感じます。
カメラマンとしては、少し嫉妬してしまうかもしれませんね(笑)。
ただし、使い方を誤るとただのぼけた写真になってしまう可能性もあるので、注意が必要です。
「被写体深度」と記載がありますが、これは今までお話しした内容に関連しています。
「被写体」とは、ピントが合っている対象のことを指しますが、手前が浅い(左)、奥まで合えば深い(右)となります。
このような違いがあるため、ポートレートモードなのか、ノーマルモードなのかを選択する際に意識すると良いでしょう。
手前に配置する物と背景との距離が、写真の印象を大きく変える要素です。
後ほど説明する「構図」の中で、手前にピントを合わせる対象をどこに配置するか、そして奥行きのある背景との距離によって、写真の見え方が異なります。
これは実際に試してみることで理解が深まると思います。
シャッタースピードについてお話しいたします。
先程の露出との調整になりますが、露出を多く取れば写真は明るくなりますので、その際にはシャッタースピードを速く設定できます。
シャッタースピードが速くなると、手ブレが起こりにくくなり、また動きの速い被写体も撮影しやすくなります。
ただし、現在のスマートフォンは自動的に良い写真を撮影するように計算してくれるので、特に気にする必要はありません。
シャッタースピードを落とすと、例えばリビングで奥様や子供の動きだけが残り、残像ができるような写真が撮れるようになります。
プロのカメラマンに特定の写真を依頼する際には、この知識が役立つと思います。例えば、お施主様の顔を出したくない場合など、様々なシーンで活用できます。
この部分は、スマートフォンでは自動的に設定される箇所ですので、知識として把握しておいていただければと思います。
今回の重要なポイント、「構図を考える」についてお話ししていきます。
構図は非常に繊細で難しい要素です。
手軽に撮影すると、構図が乱れがちな写真が増えてしまいます。
失敗は避けられませんが、それを考慮して改善していくことが重要です。そうしたアプローチについてお話ししていきます。
構図にはいくつかのパターンが存在します。構図に迷った場合は、そのパターンに合わせて写真を撮ることで、おしゃれで魅力的な写真が撮れることでしょう。
構図について、具体的な考え方に触れてみましょう。
構図を意識することで、「客観的な画作り」が可能になります。
自身の感覚だけでなく、構図を考慮することで写真に「説得力」が生まれます。
構図をマスターし、応用できるようになることで、写真撮影がより魅力的で楽しいものになるでしょう。
まず初めに、構図の基本である「三分割」についてご紹介いたします。
モノを縦横の三分割に配置するという発想です。
スマートフォンでも、このような「グリッド」が表示されますので、設定しておくと良いでしょう。
iPhoneの場合は、設定すれば、グリッドが表示されます。
これは少し高度な技法ですが、四分割です。使う機会は少ないかもしれませんが、持っておくと便利です。物が複雑に配置されたときに役立ちます。
これは上下の二分割です。住宅の撮影に応用するなら、上部を空にし、平屋の外観を写すと良いかもしれません。
これらは住宅の写真でよく活用されます。
遠近法の基本的な構図です。
ないかもしれませんが、これらの要素は構図としては興味深いです。
“S”(エス)は住宅ではあまり見かけませんが、風景写真では川の流れを表現する構図としてよく利用されます。一方で、「Z」(ゼット)の形は住宅でも見受けられ、それに沿って撮影すると素晴らしい写真が撮れるでしょう。サンドイッチ構図については後ほど説明しますが、クローゼットやトイレなど、入り口から撮影する場合には、両側に壁があるためこの構図になります。
これは、小物やディテールの配置(↑の赤い部分)が重要だと考えています。
お花や差し色(一点、赤いものを入れるとオシャレな写真になる)がある場合、どこに配置するか検討する際には、この部分が有効なポイントとなります。
物によっては端に配置した方が良い場合もありますが、ポイントになる部分をそこに配置することで、バランスの取れた写真になります。
これまでにお話しした内容の応用として、十分に考慮し、何かポイントになる要素をそこに配置していくことが重要です。
収まりの良い、勢いのある、印象的な写真に仕上げることができますが、あまり強調しすぎる場合は少し控えめにすることも検討します。
この辺りは柔軟に対応しながら撮影を進めていきます。