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2023/12/20

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分析

奥様の評価が上がる収納術 その1

この記事を書いた人

日本ビルダーズ / コンサルタント

望月友晴

(株)大日本印刷に入社し、3年後に実家の和菓子屋(有)春埜製菓を継承し、代表取締役に就任。その後、平秀信先生に弟子入りし、マーケティングについて学び(株)ノウハウコムを設立、代表取締役に就任。その後廣田康之氏率いる(株)D'Zホールディングスのもとで日本ビルダーズの事務局長として住宅会社のコンサルティング業務に携わっている

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まず初めに、本日は皆様お忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。

こうしてお時間を割いていただきましたので、本日は有意義なセミナーにしたいと考えています。

本日のセミナーの目的は、皆様にお客様の整理収納に関するお悩みを共有させていただくことです。

また、この資料を用いて、お客様の住宅の収納アドバイスができるようになり、それを含めた提案ができるようお手伝いしたいと思っています。

住宅の収納アドバイスというと、敷居が高い印象があるかもしれませんが、要はお客様の悩みに共感し、改善策をご提案し、後半では具体的な収納の例を挙げながら、お客様の好みに合った収納を一緒に見つけることが目標です。

現在、住宅価格が高騰しており、限られた予算の中で新築を建てる場合、どうしても住宅を小さくしなければならない状況にあるとお伺いしています。

住宅のスペースを狭くすることは、収納スペースが制限され、十分な収納が難しいといった不安が生じることがありますね。特に、決定権を握る女性のお客様は、こうした懸念があると話が進みにくくなりがちです。

女性のお客様の心に訴えることは非常に重要だと考えます。日常的に家事をこなす女性の方々の悩みを理解し、整理収納のアドバイスを資料を交えて分かりやすく説明し、具体例を示すことで、省スペースでも楽しくワクワクするような整理収納のイメージを提供できれば、お客様の不安を解消し、前向きに家づくりを進めることができるでしょう。

最後までお聞きいただいた方には、本日の資料をまとめてプレゼントさせていただきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

整理には、主に次の2点が含まれます。

特に重要なのは、不必要なものを取り除くこと

これは収納にとっても極めて重要な要素となります。

整理において重要なポイントを以下に整理しました。

不要なものを取り除くこと

これは、持ち物の中から不必要なアイテムを見つけ出して取り除くことを指します。例えば、着なくなった服や使わなくなった物、持っていても意味のないアイテムなどが該当します。思っている以上に、手元には不要なものが蓄積されがちです。

区別すること

これは、同じ食器であっても、普段使うものとお客様用のものでは、使用する目的が異なります。この視点で物を区別すると、整理のイメージが明確になります。区別の基準については後ほど説明しますが、まずは「区別する」ことを意識してみましょう。

それでは、整理をすることによるメリットについて触れてみましょう。

整理をしなくても暮らせれば十分、というお考えも一つの意見です。しかし、整理をすることには多くのメリットがあります。

整理をすると、これまでの生活が変わることもあり、その変化には面倒くさいと感じたり、やりたくない気分になることも理解できます。整理は手間がかかるものですが、その労力には報われることがあります。

確かに、整理をしなくても暮らすことはできます。しかし、整理を行うことで新たなメリットが生まれることを認識すれば、整理を試してみよう、という気持ちになったり、整理しないともったいないと考えが変わるかもしれません。

整理のメリットは主に次の3つです。

01 精神的効果

整理された部屋で過ごすことで気分が落ち着き、家族のコミュニケーションが活発になると言われています。実際に家を整理して清潔にしたことで、家族間の軋轢が減り、ストレスが軽減され、仕事にも集中しやすくなるとの声がよく聞かれます。

02 時間的効果

整理をすることで探し物の時間が短縮されます。自宅の鍵や子供の提出物、会員証ポイントカードなどを探す時間が減ることで、無駄な時間の削減が期待できます。

03 経済的効果

日常生活においては「ちりも積もれば」の考え方が適用されますが、特に新築を検討する際には数百万円もの差が生じる可能性があり、これは非常に大きな金額です。整理を行うことで洋服用クローゼットや物置部屋の必要性が減少し、結果として莫大な節約が可能です。整理の経済的効果は確かな事実と言えるでしょう。

整理におけるメリットの中で、特に経済的効果に焦点を当ててまとめましょう。

繰り返しになりますが、整理を行うことで経済的なメリットが大きくなります。

スペースを効果的に活用することで、建築費用の無駄な出費を減らすことができます。

整理がうまくできるようになると、収納に余計なスペースを取らずにも、省スペース収納を実現し、家をスッキリと保つことが可能です。これにより、建築費用の不必要な負担を軽減できます。

「経済的なメリットを追求するために、省スペースでもスッキリとした収納を目指しましょう!」と、お客様にもお伝えいただければ幸いです。

それでは、整理収納の基本的な流れを理解してみましょう。

まず、イラストをご覧ください。

バツがついているイラストは、無理に物を押し込んでいる印象がありますね。これは、整理をせずに物を押し込んでいる状態を表しています。

整理とは、不要なものを取り除くことや物を区別することです。これらを怠ったまま物を押し込むと、どうなるでしょうか?

ごく身近な状況に感じられることでしょう。私も実家ではこのような光景がよく見受けられました。

これは、不要なものを取り除いておらず、物を区別していない状態です。ですから、収納の重要なポイントは整理を終えた後に行うことです。そして、物を使いやすい状態に整えることが重要です。

重ねてお伝えしますが、整理の際の基本は、ますます不必要なものを取り除くことです。これが最初のステップとなります。

この作業が完了したら、次には物事を区別していくことになります。これは、収納の前段階に位置します。まず、この2つのポイントを最初に考慮してみてください。

イメージとして、最初に不要なものを断捨離するというプロセスです。片付けても元の散らかった状態に戻ってしまうのは、この整理が行き届いていないからです。

次に、この整理の段階に焦点を当て、整理が苦手な方がステップアップできるよう、考察していきましょう。

余分なものを取り除くための具体的なステップについてお話しいたします。

整理のステージは3つあります。1から3までの順序が重要で、整理の過程でこれを繰り返して進めていきます。

最初はステージ1、不要なものを取り除くことです。ここで不要なものとは、1年以上使用していないものや今後1年以上使用する予定のないものと定義しましょう。

逆に必要なものとは何でしょうか?それは毎日使うものや、用途別に使うもの、たとえば冠婚葬祭の服などです。頻度は低いかもしれませんが、自分にとって必要なものになります。ここで言う必要な物は、使う人によって異なるので、自分の基準で判断してください。

不要なものの基準を設けるのも良いですね。例えば、1年以上使用していないか、捨てても1000円以内で買い戻せるものなど、自分のルールを作ることが助けになります。

不要な物のイメージとして、スマイルマークを想像してみましょう。なぜなら、不要な物の中には新品で捨てるのがもったいないから手元に残しておく、といった理由で価値のあるものが含まれることがあるからです。

物を手元に置いておいても使わない場合、それは自分にとって不要なものかもしれません。モノと向き合って、手放すか使うかを判断する時間を設けることが整理の醍醐味です。整理のステージ1について、更に詳しく説明します。

ステージ1では、必要なモノと不要なモノが混在している状態です。

イラストをご覧ください。

必要なモノは四角で表し、不要なモノはスマイルマークで表しています。これが整理されていない、モノが混在している状態、ステージ1です。

この状態では、毎日使うものといらないものがごちゃまぜになり、まったくもって使いづらい状態にあります。

まずは、そこからスマイルマークを取り除きましょう。

具体的には、自分で設定したルール(1年以上使っていない、今後使わない、1000円以内で買い戻せるなど)に基づいて、スマイルマーク(不要なもの)を取り除いていきます。

洋服箪笥で考えると、着ていない服やサイズアウトした子供服、本来タンスに収納する必要のないものを取り除いていく感じです。

ステージ2では、ステージ1で取り除いたスマイルマークがなくなりました。

これにより、必要なものだけが残り、良く見渡せるようになりました。先ほどまでスマイルマークで隠れていたものもしっかり見えるため、何があるのか一目でわかりますよね。

これがステージ2で、不必要なモノがなくなった状態です。

ただ、これだけではどうでしょうか?例えば、洋服タンスで考えると、夏物や冬物、家族のものがランダムに混ざっているような感じです。

まだまだ使い勝手が良くない状態ですね。

整理で重要なのは2つ目のポイントは何だったでしょうか…?

1つ目は不要なモノを取り除くことでしたが、2つ目は…「区別する」ことですね。

では、物事を区別するとどうなるか、次のページを見てみましょう。

ステージ3では、モノがきちんと区別された状態です。

イラストをご覧ください。色分けされたブロックが整然と並んでいますね。

洋服に例えると、春・夏・秋・冬、家族ごとなど、しっかりと使い分けがされています。

ステージ3は、使用目的や使用頻度、使用者によってモノがきちんと区別された状態です。

使用目的には、会社用・学校用・習い事用・遊び用・家用などのカテゴリがあり、使用頻度には毎日、週、月、年などの項目が存在し、使用者には家族やスペースを共有している人々が含まれます。

これを収納の場所やその目的に合わせて区別することで、ますます整理が進むわけです。まずは、この区別する段階を意識してみましょう。

ステージ3に到達することで、ようやく整理された状態が完成します。

収納が苦手な方、いらっしゃいますか?

そんな方は、まずスマイルマーク=不必要なモノを取り除いてみてください。

「スマイル」は、今の自分や家族に不必要な物。不要なモノを見極めるルールとしては、基本的には1年以上使っていないものや今後1年以上使わないものなどが挙げられますが、自分でどのような基準を設けるかを決めて、不要なモノ=スマイルを見つけ出しましょう。

そして、ステージ1から2,3を繰り返しながら、モノを整理していきます。

ステージ2まで進むと、整理収納がリバウンドしにくくなりますので、まずは、ステージ2の不必要なモノがなくなった状態を目指して、家にあるモノのなかからスマイルを見つけて取り除きましょう。

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